温泉分析表

源泉名 平湯温泉 山の湯
湧出地 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯682
泉質 炭酸水素塩泉

湧出地における調査及び試験成績

(イ)調査及び試験者 岐阜県衛星研究所
(ロ)調査及び試験年月日 昭和41年2月23日
(ハ)知覚的試験 無色透明、無味、無臭、弱アルカリ性反応を有する
(ニ)pH値 8.1
(ホ)泉温 42度(源泉75.2度、気温-3度)
(ヘ)湧出量 310リットル/分(自然湧出)

試験室における試験成績

(イ)分析終了年月日 昭和41年6月30日
(ロ)知覚的試験 淡黄褐色沈殿を生ず
(ハ)pH値 7.85
(ニ)密度 0.9992(20度/4度)
(ホ)蒸発残留物 1063mg/kg

試料1kg中の成分分量及び組成

陽イオン成分 含有量(mg) 当量(mval) 比率(mval%)
水素イオン --- --- ---
カリウムイオン 35.00 0.9853 5.18
ナトリウムイオン 280.2 12.18 70.43
カルシウムイオン 58.93 2.941 17.00
マグネシウムイオン 15.05 1.238 7.16
鉄(|)イオン 0.610 0.0218 0.13
マンガンイオン 0.270 0.0098 0.06
アルミニウムイオン 0.065 0.0072 0.04
陽イオン 計 390.1 17.29 100
陰イオン成分 含有量(mg) 当量(mval) 比率(mval%)
水酸イオン 259.1 7.307 41.99
フッ素イオン 1.120 0.0587 0.34
硫酸イオン 77.05 1.604 922
ヒドロ燐酸イオン 0.082 0.0017 0.01
ヒドロ炭酸イオン 469.9 7.701 44.26
炭酸イオン 3.457 0.1152 0.66
硫化水素イオン 0.318 0.0096 0.06
メタホウ酸イオン --- 0.5681 3.26
ヒドロケイ酸イオン --- 0.0330 0.19
水酸イオン 0.022 0.0013 0.01
陰イオン 計 811.1 17.40 100.0
非解離成分 含有量(mg) 当量(mmol)
メタ亜ヒ酸 0.011 0.0001
メタホウ酸 0.232 0.0053
メタケイ酸 102.9 1.318
※溶存物質(ガス性のものを除く)1331mg/kg
溶存ガス成分 含有量(mg) 当量(mmol)
二酸化炭素 9.040 0.2054
硫化水素 0.027 0.0008
※成分総計1340mg/kg

浴用の適応症

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病

浴用の禁忌症

急性疾患(特に熱のある場合)、進行性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)

浴用又は飲用上の注意

温泉には老化現象が認められ、地中から湧出した直後の新鮮な温泉が最も効用があるといわれているが、それぞれの泉質に適する用い方をしなければかえって疾病に不利に働く場合がある。 したがって浴用又は飲用上の注意事項はおおむね次によることとし、特に飲用には新鮮な温泉を用いるとともに源泉及び飲泉施設について十分な公衆衛生上の配慮を行うこと。

1浴用上の注意

(1) 温泉療養を始める場合は、最初の数日の入浴回数を1日あたり1回程度とすること。その後は1日当たり2回ないし3回までとすること。
(2) 温泉療養のための必要期間は、おおむね2ないし3週間を適当とすること。
(3) 温泉療養開始後おおむね3日ないし1週間前後に湯あたり(湯さわり又は浴場反応)が現れることがある。
「湯あたり」の間は入浴回数を減じ又は中止し、湯あたり症状の回復を待つこと。
(4) 以上のほか、入浴には次の諸点にすいて注意すること。
ア) 入浴時間は、入浴温度により異なるが、初めは3分ないし10分程度とし、慣れるにしたがって延長してもよい。
イ) 入浴中は、運動浴の場合は別として一般には安静を守る。
ウ) 入浴後は、身体に付着した温泉の成分を水で洗い流さない(湯ただれを起こしやすい人は逆に浴後真水で身体を洗うか、温泉成分を拭き取るのがよい)。
エ) 入浴後は湯冷めに注意して一定時間の安静を守る。
オ) 次の疾患については、原則として高温浴(42度以上)を禁忌とする。
(ア)高度の動脈硬化症 (イ)高血圧症 (ウ)心臓病
カ) 熱い温泉に急に入るとめまい等を起こすことがあるので十分注意をする。
キ) 食事の直前・直後の入浴は避けることが望ましい。
ク) 飲酒しての入浴は特に注意する。
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